大学院進学

研究開発職を目指すなら

高度な知識で専門職を目指す

研究開発職を目指すなら,多くの場合大学院進学が必要になってきます。
より深い知識や技術を身につけ,専門職を目指してみませんか?

研究開発職と大学院

大学を卒業後に,より高度な知識や技術を得たり,自身の研究をより進めるために進学するのが大学院です。大学院に進学する理由として最も大きいのは,企業などでの研究開発職を目指す,というものでしょう。

大企業の場合で特に顕著ですが,企業の研究開発職の求人の多くは大学院卒の資格を必要としていることが多く,大学を卒業てすぐに研究開発部門へ就職するというのは難しくなっています。これは,研究開発部門は企業の「次の収益源」を生み出す重要な部署であり,高い研究能力・分析能力をもった人材を必要としているためです。明星大学ではそんな社会の要請に応えるべく,理工学部での学びをさらに深め高度な知識と技術を身につけられる明星大学大学院 理工学研究科を設置しています。

理工学研究科には物理学専攻,化学専攻,機械工学専攻,電気工学専攻,建築・建設工学専攻,環境システム学専攻の6つの専攻があり,新たな理論の探求,先端材料や新たなエンジンの開発,高効率なアンテナといった新たな電気素子の開発,環境負荷の少ない社会の実現など,さまざまな分野の最先端の研究に取り組んでいます。

明星大学 理工学部からも,研究開発職への就職などを目指し毎年多くの学生が大学院へ進学しています。

大学院の仕組み

大学院は大きく分けて2つの段階に分かれており,研究者としての能力を磨いていく博士前期課程(2年間)と,博士前期課程の修了後にさらに深く研究を行う博士後期課程(3年間)からなります。博士前期課程の代わりに修士課程としている大学院もありますが,ほぼ同じものと考えても良いでしょう(厳密にいうと別なものなのですが,実際のところはほぼ同じものとして運用されています)。

博士前期課程を修了し修士論文の審査に合格すると,専攻に応じて修士(理学)または修士(工学)の学位を得られます。研究開発職の求人ではこの修士の学位が必要となっていることが多く,研究開発職を目指すならこの修士の学位を取得しておくことが望ましいと言えるでしょう。また,学部で教員免許を取得した学生がこの博士前期課程で所定の単位を取得すると,専門分野を深く学んだ証である「教職専修免許状」を得られます。専修免許状を重視する自治体や,管理職になるために専修免許状が必須の自治体などもあり,教員を目指す一環として大学院に進む学生も一定数存在します。一般的に,この修士の学位を取得後に企業への就職や教員として卒業していく学生が多く,後期博士課程に進学する学生はそこまで多くはありません。

博士後期課程は,自分の行ってきた研究をもっと深めたい人や,より専門性の高い研究を行うための知識や技術を身につけたい人が進む課程になります。3年間みっちりと研究活動に明け暮れ,世界中の研究者の論文を読むと同時に自らの研究成果を学会発表や論文として報告するなど,充実した研究生活が送れる3年間です。課程を修了し博士論文の審査に合格すると博士(理学)または博士(工学)の学位が取得できます。理工系の大学教員を目指すのであれば多くの場合博士の学位が必要となりますし,大企業の研究グループのリーダーや責任者なども博士の学位を取得していることが多々あります。特に海外の企業は研究開発職の社員が博士の学位を持っている場合も多く,海外企業との共同研究が多い企業などは対等な立場でやりあうために博士の学位の取得を推奨していることもあります。

大学院とお金の話

好きな研究が続けられて,知識や技術を身につけることができる大学院。とは言うものの,やはり時間とお金の面は無視できません。大学院に進学すると学費がかかりますし,修士の学位まででも2年間,博士の学位まで取るとなると5年間の時間も必要です。「就職情報を見たら、学部卒と修士卒で初任給が2-3万円ぐらいしか変わらない。これだったら大学院に行かずに就職した方が得なんじゃ?」と感じる方も多いのではないでしょうか。

確かに卒業後に同じ職に就いた場合には,大卒で就職した場合と大学院卒で就職した場合の生涯賃金はほとんど同じになってしまいますので,学費の分だけ損かも知れないとも言われています。では,大学院進学は損でしかないのでしょうか?

すでに書いたように,多くの企業では営業や製造といった一般職とは別に比較的高給である研究職・開発職の募集が行われており,これらへの応募条件として修士以上の学歴が必要となってくることが多くなっています。つまり,大学院を卒業することで,大卒の場合には進めなかったより高給な新しい道へのチャレンジが可能となるわけです。この結果,現在の大卒の生涯賃金(平均値)がおよそ2億5千万円程度であるのに対し,大学院卒の場合の生涯賃金(平均値)は3億円強となっており,大学院卒がかなり有利(※)となることが知られています。

『大学院教育と人的資本の生産性』森川正之(独立行政法人 経済産業研究所)

大学院に進学し,専門職に就くことができれば,学費と時間は十分取り返すことができます。自分の研究内容や研究能力に自信があれば,大学院に進学してより高い技能が必要とされる職を目指してみるのもおすすめです。また明星大学でも各種の奨学金を準備していますので,それらの活用もご検討ください(奨学金に関して詳しくは明星大学 学生サポートセンターまでお問い合わせください)。


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