物理学コース科目担当
小野寺研究室(天文学研究室)
天文学・天体物理学の観測的研究
【天文学系】
天文学研究室では、宇宙を構成する星・銀河・銀河団の環境や構造、星間物質から星が誕生していく過程や星間物質そのものに関連する現象について、衛星や地上の大型望遠鏡を用いて先端的な研究を行っています。
宮村研究室(宇宙システム研究室)
人工衛星による宇宙利用を考える
【航空宇宙分野】
人工衛星から地球を観測する技術・リモートセンシングを担う宇宙システムの研究を行っています。主な研究テーマは、光の波面補償によって軌道上で光学性能を補正する補償光学技術(*)。この技術を使って、小型衛星に搭載するセンサの観測性能を大幅に向上させることをめざしています。また、研究成果を宇宙で実証するために、小型衛星の研究開発にも取り組んでいます。
*宮村研究室では、形状を変形させられる薄い鏡に歪んだ光の波面を導き、きれいな波面に補正している。
石田研究室(素粒子論研究室)
素粒子とその相互作用の理論的研究
【理論系】
物質を細かく分割していくと、分子や原子の世界が現れます。100以上ある原子の周期表は皆さん知っているでしょう。物質の究極の姿は何なのか?その存在と性質を解明するのが、素粒子物理学の目的です。それは物質が存在する時空間や、宇宙の性質と深く結びついています。石田研究室では、高次元時空の現象論的模型を構築する研究を行っています。
鈴木研究室(統計力学・生物物理学研究室)
蛋白質の立体構造の理論的研究
【理論系】
タンパク質は、生体内でDNAの遺伝情報をもとに組み立てられ、それが折りたたまれて、3次元の立体的な構造をとることで、身体の中でさまざまな働き(例えば消化など)をします。鈴木研究室では、タンパク質がどのように折りたたまれていくのかということについて、理論的な面からの研究を行っています。さらに、理論の検証をするために、コンピュータを使って計算を行っています。
赤坂研究室(半導体物理研究室)
ワイドギャップ半導体の量子構造・物性の研究
【半導体・物性物理】
窒化物半導体や酸化物半導体などのワイドギャップ半導体は、従来の代表的な半導体であるシリコンと比べて優れた物性(物理的性質)を示し、白色光源やパワーデバイスなどの省エネデバイス材料として研究されています。赤坂研究室では、ワイドギャップ半導体の単結晶薄膜やナノメートルサイズの量子構造を作製し、それらの物性を実験的に探っていきます。
古川研究室(ソフトマター物理研究室)
生体分子や有機分子などのやわらかい物質の研究
【マテリアルサイエンス】
物理学の研究領域は、ゴムのような材料や、生物を構成する組織などを含むソフトマター(やわらかい物質)にも着実に広がっています。古川研究室では、イオン液体と高分子とからなるイオンゲルや固体表面に作製した人工細胞膜を対象とした実験研究を推進しています。物理学と化学・生命化学とを融合した新しい研究領域を開拓します。
櫻井研究室(大気環境研究室)
大気汚染の発生メカニズムや環境影響を研究
【地球環境分野】
2013年に流行語大賞に選出された「PM2.5」。今やエアコンやマスクなどの商品開発では、PM2.5対応が当たり前の仕様となっています。櫻井研究室では、PM2.5に代表される大気汚染物質のフィールド観測をはじめ、都市から大陸規模を対象とした数値シミュレーション、さらには人体の健康影響に関する研究に取り組んでいます。
亀卦川研究室(気象・熱環境研究室)
都市と地球の気候変動とその影響・対策を研究
【地球環境分野】
専門分野は気象・熱エネルギー科学です。都市のヒートアイランド現象や気候変動について研究しています。都市の気象と電力消費量などの同時予測を行う独自のコンピュータシミュレーションモデルを駆使し、海外諸都市も対象に、気候変動予測や省エネ・緑化などの温暖化対策についても研究しています。
柳川研究室(緑地・生態系機能評価研究室)
都市緑地をはじめとする様々な土地被覆における生態系機能およびその評価に関する研究
【地球環境分野】
持続可能な社会および自然環境を形成することをめざして、緑地や生態系の多面的機能とそのデザインの研究に取り組んでいます。国内では、農耕地生態系の多面的機能評価として、農耕地の生物多様性保全機能と農産物の生産機能額のどちらもみたす農地の抽出やその条件の整理などを行っています。また、多摩川河川敷で、土壌昆虫と土壌および植生との関係についてのモニタリング調査を毎月行っています。
熊谷研究室(流体工学研究室)
気泡による船舶抵抗低減技術の研究
【「海・空・宇宙」で活躍】
水中翼を用いた気泡発生装置の開発・最適化実験を行い、船舶の正味抵抗低減技術に関する研究を行っています。3D-CADによって翼を設計し、3Dプリンターで製作。水槽を使ったスケールモデル実験や実船実験も行っています。また、この技術を応用し、水質改善用の省エネ曝気装置(*)の開発も行っています。
*曝気:微生物が有機物を分解するために必要な酸素を吹き込んだり混ぜたりすること。
冨宿研究室(生物機能有機化学研究室)
有用物質合成のための新規酵素の探索と利用
【化学と生命科学の融合領域】
酵素は、生体内の代謝反応において触媒として働くタンパク質です。30℃くらいの温度や水中など穏やかな条件で機能するため、環境にやさしく省エネルギーな物質変換法として期待できます。冨宿研究室では、新しい酵素の触媒能力を自然界から見つけ出し、酵素の性質や機能、構造を明らかにするとともに、有用物質の斬新な物質合成プロセスへと展開する研究に取り組んでいます。
西條研究室(物性化学研究室)
分子を使って磁性体を開発
【錯体化学と物理化学領域】
分子で出来ているのに磁力をもつ物質が、分子性磁性体です。さまざまな置換基を組み込むことで、磁場で伝導性が変わる物質や、ガス吸着で磁性が変わる物質など面白い磁性体をつくることが出来ます。しかし、弱点は、相互作用が弱く低温でしか機能を発揮できないこと。西條研究室では、さまざまな新分子を合成し、相互作用が強い新磁性体の開発を行っています。