15の専門プログラム
理工学部の「専門プログラム」という仕組み
明星大学 理工学部では,各コースの科目を目的・進路別に15の「専門プログラム」としてまとめあげ,「この目的・進路を目指すなら,これらの講義をとると良い」ということがわかりやすい仕組みを構築。学生は卒業までに各コースの専門プログラムから2つを履修することが推奨され,2つの分野を体系立てて学ぶことができます。例えば化学・生命科学コースの「未来素材探究」では,現代社会を支えるさまざまな材料はどんな性質をもっており,それらの特性を発揮するにはどんな分子設計や結晶構造の制御が必要なのかといった物性化学の知識に加え,材料として用いられた物質の廃棄・再利用までを考えるための知識など,将来新素材の開発といった進路で役立つ知識を体系的に学ぶことができます。

さらに,2つ履修する専門プログラムのうち一つに他コースの専門プログラムを選択することもできます。これにより幅広い知識を身につけて進路の選択肢を増やしたり,複数の分野の知識が必要とされる境界領域を目指すといった道が拓けます。例えば機械工学コースの学生が「ロボット・AI」専門プログラムに加えて電気・情報通信コースの「計測・制御」を学べば,実際に動く機械部分に加えそれを精密にコントロールする電子制御の十分な知識を習得できます。この二つの知識は日本の製造業の得意分野であるメカトロニクスに不可欠なもので,これらを合わせて習得することで産業界での活躍が期待できる人材へと成長できます。ほかにも,物理学コースの「地球環境」と化学・生命科学コースの「地球と暮らす学び」を組み合わせて世界全体での環境問題の専門家を目指したり,機械工学コースの「航空宇宙」と化学・生命科学コースの「未来素材探究」や物理学コースの「半導体・物性物理」を組み合わせることで航空宇宙分野で活用される新素材の開発者を目指すなど,異分野を融合させることで新たな領域を目指す力となります。
また各専門プログラムに含まれる講義は,個別に追加履修することも可能です。「○○という専門プログラム全体を履修したいわけじゃないけど,××という講義には興味があるから聞いたみたい」とか「自分の目指す進路には△△という講義が役立ちそうだから,その講義だけ追加で履修しよう」といったことも自由自在。自分の興味や進路に合わせ,より自由に,より幅広く学びを組み立てられます。
各専門プログラムの詳細
物理学コースの専門プログラム
理論物理
様々な現象を貫く法則を,数式を使って理解する
キーワード:相対性理論,量子力学,統計力学,素粒子,生物物理,計算機
学べる内容:広大な宇宙からミクロな素粒子まで,物質から生命まで幅広い現象の根底に流れる法則を,ニュートン力学や量子力学などの様々な理論に基づいて数理的に理解することを目的とする専門プログラムです。理論物理を深く学ぶことで,どのような分野に進んでも物事を俯瞰的・包括的かつ数理的に捉える才能が身に付きます。ここで学んだ包括的な理解能力を生かして,新規プロジェクトの計画立案を指揮するプロジェクトマネージャーのような仕事に進む卒業生もいます。
関連する進路:IT関連(プロジェクトマネージャー,ソフトウェア開発),電機・精密機器(X線検査装置,電子顕微鏡などの設計・保守),データ・アナリスト,中学・高校教員(理科・数学),教育関連事業
講義科目(予定):流体と弾性体,離散代数,量子力学3,相対性理論,素粒子物理学,量子力学4
半導体・物性物理
現代社会を支える半導体材料の仕組みを学ぶ
キーワード:半導体,薄膜,結晶成長
学べる内容:現代社会を支える半導体を中心とした電子材料。その仕組みと原理を学び,デジタル社会の根幹を担います。
関連する進路:半導体産業,電機,理科教員など
講義科目(予定):基礎物質科学,光学,物性物理学1,物性物理学2,原子物理学,半導体工学
天文・宇宙
宇宙に関する知識を幅広く学ぶ
キーワード:天文学,宇宙物理,地球惑星科学,宇宙工学
学べる内容:地球・惑星から宇宙の果てまで,様々なスケールでの宇宙の姿を物理学の観点で理解するとともに,天体を観測したり人工衛星を飛ばしたりするための技術の基礎を学びます。
関連する進路:メーカー(機械,電機,光学),IT関連,理科教員,科学館・教材開発といった教育関連など
講義科目(予定):天文学1,天文学2,流体と弾性体,地球惑星ダイナミクス概論,光学,宇宙工学入門
地球環境
気候システムを科学し,地球環境の未来を読み解く
キーワード:気候変動,極端気象,大気環境,地球生態系
学べる内容:気候変動や極端気象,大気環境などの地球規模の環境問題に関心を持つ学生を対象とした専門プログラムです。気象学や大気科学を基盤として,地球の気候システムを物理学的視点から解析し,地球環境の仕組みを科学的に理解します。さらに,地球内部構造や地球ダイナミクスについても学びながら,気候変動が地球生態系に及ぼす影響にも目を向け,地球環境の変化を総合的に捉える力を身につけます。
関連する進路:環境系企業(調査・情報処理・コンサルティング・空調等の設備系エンジニアなど),ITエンジニア,公務員,理科教員など
講義科目(予定):大気科学,気象・熱環境学,地球環境学,地球惑星ダイナミクス概論,気候変動制御,環境流体解析
化学・生命科学コースの専門プログラム
未来素材探究
未来を変える新素材,その基礎を学ぼう!
キーワード:素材・材料,物性,構造と性質
学べる内容:電気製品,自動車・電車,衣服など日常生活では多くの素材が使われており,各素材がもつ様々な性質が利用されています。そういった性質がどのような分子構造・結晶構造から生み出されるのか,どうすればより優れた素材を開発できるのか,などを理解し,新たな材料の開発・製造に必要な知識を学びます。
関連する進路:化学繊維,高分子材料,塗料・香料など各種素材の製造業など
講義科目(予定):無機化学1,物性化学,有機構造解析学,分子情報科学,資源循環学,無機化学2
分子ものづくり
医薬品などの新物質の開発を目指そう!
キーワード:有機化合物,医薬品づくり,酵素の利用,新しい反応開発,持続可能で安全な分子合成
学べる内容:医薬品,ポリマー材料,触媒など,我々の日常生活に欠かせない有機材料を理解し,合成・分析するために必要な知識・技術を学ぶことができます。
関連する進路:有機系素材の開発・製品分析,品質管理,生産技術,理科教員 等
講義科目(予定):有機化学1,有機化学2,機器分析学,生体触媒化学,生体分子化学,構造生物学
ゲノム・遺伝子探求
生命の謎を分子レベルと解き明かす
キーワード:DNA・RNA,タンパク質,細胞,バイオテクノロジー,生命現象
学べる内容:私たちの体をつくり,動かしている“生命の仕組み”を,分子レベルで深く学ぶ分野です。DNAからRNAがつくられ,さらにタンパク質へとつながっていく流れを中心に,細胞の中で起きている不思議を解き明かしていきます。講義では,分子生物学や生化学の基礎をしっかり学んだ上で,最新のバイオテクノロジーにも触れながら,生命現象を科学的に考える力を身につけます。また,実験を通して「手を動かして理解する」ことを大切にし,遺伝子や細胞の世界を実感しながら学べます。生命が共有するゲノム情報を基盤とした生命のルールを深く探り,未知の世界を独自の探究心で開いてみませんか。
関連する進路:食品・化学メーカー,専門・技術サービス業(化学・バイオ分野),バイオテクノロジー企業,中学・高校教員など
講義科目(予定):分子生物学2,生化学2,微生物学,構造生物学,遺伝子工学,高次生命機能学
地球と暮らす学び
地球と生態系を知り,持続可能な社会のために
キーワード:地球環境,気候変動,生態系,持続可能(サステナブル)な社会,資源循環(リサイクル),自然と共生する技術
学べる内容:地球環境や生態系を理系の視点で広く学びます。そして,私たち人間が自然と共生しながら持続的に暮らせる未来社会を見据えて,地球にやさしい資源循環を達成するための科学と技術を探求していきます。
関連する進路:環境調査・分析業界,環境インフラ業界(プラントメーカー,プラントメンテナンス),環境コンサルタント,公務員(都道府県:化学職・環境職)など
講義科目(予定):環境科学,地球環境学,大気科学,生態学,資源循環学,環境生態工学
機械工学コースの専門プログラム
乗り物メカニクス
陸と海の乗り物を学ぶ
学べる内容:自動車・鉄道・船舶の構造や動作に関する知識を学ぶことができます。これらの設計・製造や,電気自動車等の先進的な乗り物分野を目指す学生向け。
関連する進路:自動車関連メーカー,鉄道関係,一般機械メーカー,各種機械の製造・設計 等
講義科目(予定):熱力学1・2,材料力学1・2,流体力学1・2,機械力学1・2,設計工学2,乗り物工学,機械情報処理
航空宇宙
航空宇宙分野でのものづくり
学べる内容:航空宇宙分野やそこで用いられる機械・素材に関する知識を身につけられます。航空宇宙分野に関連したものづくりを志望する学生向け。
関連する進路:航空機部材メーカー,宇宙構造部材メーカー,一般機械系メーカー,設計・製造 等
講義科目(予定):熱力学1・2,材料力学1・2,流体力学1・2,機械力学1・2,天文学1,宇宙工学入門,地球惑星ダイナミクス概論,知能ロボティクス
ロボット・AI
ロボットや自動制御を学ぶ
学べる内容:ロボットなどの制御,プログラミング関連の知識を学ぶことができます。自動制御された各種ロボットやリモートセンシング等の分野を志望する学生向けです。
関連する進路:ロボティクス,機械制御,SE関連,一般機械メーカー,設計・製造 等
講義科目(予定):設計工学2,制御工学,知能情報工学,知能ロボティクス,機械情報処理,知能情報工学応用
電気・情報通信コースの専門プログラム
エネルギー・デバイス
社会を支える次世代の電力システムとデバイス
キーワード:再生可能エネルギー,電気機器,電力システム,パワーエレクトロニクス,知的材料
学べる内容:発電・変電・送電・配電・蓄電・消費といった電力システムやこれを支える様々な電気デバイスについて学び,次世代の電気エネルギーに関する様々な技術を総合的に学修することができます。
関連する進路:電力業界,電設業界,建設業界,鉄道業界,エネルギー業界,各種メーカーなど
講義科目(予定):制御工学,電力工学,電力電子工学,半導体工学,電気機器学,電力システム,電気材料工学,高電圧工学
計測・制御
計測と制御の技術にAI・知能情報技術を融合し,高度なシステムを実現する
キーワード:センサ,AI,フィードバック制御,宇宙機制御,信号処理
学べる内容:現代の産業のあらゆる分野で必要とされる計測・制御の基礎を学び,,信号処理やAI・知能情報技術の活用も含め,ロボット制御や人工衛星の姿勢制御など,さまざまなシステムを安全かつ正確に動かすための技術を学びます。
関連する進路:AI・IT企業,通信・データ関連企業,宇宙開発関連メーカーなど
講義科目(予定):制御工学,宇宙機制御工学,電気電子計測,電子回路学,知能情報工学,信号処理入門
情報・通信
現代社会に必須の情報通信技術
キーワード:プログラミング,FPGA,無線通信,デジタル変復調,アンテナ
学べる内容:今後ますます発展が期待される情報社会を支え,先端的な情報社会を構築するために,プログラミングや情報通信技術(基礎から応用まで)を体系的に学修することができます。
関連する進路:無線通信インフラ(携帯電話システム,航空管制),通信業,情報サービス業,ネットワークエンジニア,システムエンジニア(SE)など。
講義科目(予定):電子回路学,電磁波論,電波利用システム工学通論,通信網論,情報通信論,知能情報工学
宇宙利用・知能科学
宇宙からAIまで,広がる学びの可能性
キーワード:宇宙工学,人工衛星,AI,知能科学
学べる内容:人工衛星による宇宙利用の基礎や,AI・知能科学の原理と応用を学ぶことができます。
関連する進路:衛星メーカー,AI・IT企業,通信・データ関連企業,研究開発など
講義科目(予定):宇宙工学入門,制御工学,宇宙機制御工学,知能情報工学,知能情報工学応用,信号処理入門