2017年11月18日(土)、建築学系の科目「都市計画」において建築学系の学生56名(3年生50名、4年生6名)が多摩ニュータウンエリア(東京都多摩市)で野外実習をしました。
この実習は、講義内で学修した日本最大の住宅開発地である多摩ニュータウンの都市計画について実際に現地で見学し、開発から50年が経過した今日の状況と課題を確認することを目的に行ったものです。
実習に参加した大宮拓実さんの話
1965年から山を切り開いて開発された多摩ニュータウン(今回見学した地域:多摩センター駅周辺、多摩中央公園、唐木田駅周辺、永山駅周辺)は自然を取り込んだ住宅地と、歩車分離された道路が印象的でした。特に道路は切り土と盛り土によって歩道と車道が立体交差するように設計されているため、道幅にも余裕がありました。
しかし、開発から約50年が過ぎ、社会状況は刻々と変化しています。その変化に対応しきれていない課題も今回の実習で発見することができました。たとえば階段しかない団地には、高齢化に伴いエレベーターの設置が必要であることや、家事中心だった女性が社会進出することによる商店街への影響と、今後の商店街のあり方などを見直す必要があると感じました。
今回気づいた課題を念頭に、法律などの観点も加えて都市と建築の関わり方について考えていきたいと思います。
2017年11月19日(日)に玉川大学(東京都町田市玉川学園)で開催された「関東昆虫学研究会(旧 日本昆虫学会関東支部) 第1回大会」で、環境・生態学系4年生 齋藤優正さんと南部克寛さん(岩見徳雄研究室)が研究発表しました。
研究発表タイトル:
1.「多摩地域南部の里地里山に出現するトンボ目成虫の季節変化 ①谷戸水田における個体群動態」
発表者:齋藤優正、岩見徳雄、田口正男
2.「多摩地域南部の里地里山に出現するトンボ目成虫の季節変化 ②谷戸のビオトープにおける個体群動態」
発表者:南部克寛、岩見徳雄、田口正男
研究発表した南部克寛さんの話
私の研究はビオトープに生息するトンボ個体群の季節変化を明らかにすることです。4月上旬から11月下旬にかけて多摩地域南部の谷戸水田に隣接する「蛍の里」ビオトープにて、トンボ個体群を標識再捕法により調査し生息個体数を推定しました。同研究室の齋藤君はこのビオトープに隣接した水田でトンボ個体群を調査しており、二人で調査したデータを比較することができました。
その結果、ビオトープではトンボが最大75頭と推定されたのに対し、水田では200頭近い個体が生息しているという推定結果や、ビオトープと水田では出現するトンボの種類や個体数に違いがあり、それらが季節の変わり目で急変することも明らかになりました。
日本を代表する昆虫学学会「関東昆虫学研究会(旧 日本昆虫学会関東支部)」の発表者は、昆虫の機能や生態について研究する学芸員や農学部の学生、大学院生ばかりで、理工学部で環境生態学を学ぶ私が同じ壇上に立つことにはたいへん緊張しましたが、とてもよい勉強になりました。
最後に、トンボ生態研究のノウハウをご教示くださった田口正男博士に心から感謝申し上げます。
写真 左:南部さんの発表風景 右:齋藤さんの発表風景 下:会場入り口にて(左から南部さん、齋藤さん、岩見准教授)
2017年11月26日(日)、工学院大学(東京都新宿区西新宿)で開催された「電力システム技術東京私学連合ブランチ」で、電気電子工学系4年生の長利海杜さん、伊達昇吾さん、高橋由佳さん(以上、伊庭健二研究室)、石川 裕さん、三輪健太さん、吉羽恒太さん、吉川勇太さん(以上、石田隆張研究室)が研究発表をしました。
この研究発表会は電力システム関連の研究に携わる、関東地区の工学院大学、芝浦工業大学、東海大学、日本工業大学、明星大学、サレジオ工業高等専門学校の学生を対象に、卒業研究の中間報告として研究内容を公開し、その内容の議論、同世代の学生同士の交流という貴重な経験を積んでもらうために、毎年この時期に電気学会東京支部より援助をうけて開催されるものです。
代表研究発表タイトル(1):「実績データを用いた風力発電所の風速と出力の関係」
発表者:高橋由佳(伊庭健二研究室)
発表内容:風力発電所の実績データの分析を行い、理論式であるレイリー分布との相違や計測誤差の評価を行いました。
代表研究発表タイトル(2):「インバータが発生するノイズの評価とその改善策」
発表者:石川 裕(石田隆張研究室)
発表内容:パワーデバイスを使った装置ではラジオの受信障害をはじめとしたノイズ源になることが知られています。そこで本研究では伝導性ノイズに着目し、特に回路の実装方法と発生するノイズの大きさの関連を調査しました。調査は2種類の配線方法で同一のインバータ回路を実装し、発生するノイズの測定と評価を行った結果について報告しました。
2017年11月16日(木)、建築学系(矢島寿一研究室)の4年生7名が国土交通省関東地方整備局相武国道事務所が施工中の、八王子南バイパス館第一トンネル工事(シールド)、さがみ縦貫相模原地区改良工事等を見学しました。
見学に参加した倉嶋宏汰朗さんの話
国土交通省が行っている八王子南バイパスのトンネル工事の現場を見学させていただきました。見学したときは、シールド機を組み立てている段階で実際にシールド機を見ることはできませんでしたが、組み立てているパーツを見るだけで迫力を感じました。またシールド機の発進側ヤードの周辺には住宅が多く、居住者に迷惑がかからないような配慮が多くされていました。実際にトンネルが完成するのはまだ先ですが、完成したら利用してみたいと思います。
見学に参加した中村 紘さんの話
私たちは国土交通省の方々のご好意で、さがみ縦貫相模原地区改良工事現場にて軽量壁面材の組み立て作業を見学しました。軽量壁面材とは廉価で加工しやすい発泡スチロールを用いた壁面材のことで、発泡スチロールを中身に使うことで軽くなり、少人数でも容易に作業を進めることができます。また発泡スチロールには水と結合しない撥水性という特徴があり、この壁面材も吸水量が少なく、長期浸水状態にあっても品質が変化しない利点があります。
現場ではクレーン1台と4、5人の作業員の方々の手で壁面材が組み立てられており、画期的な材料が果たす役割の大きさに驚きました。
今回、普段何気なく通行している道路やトンネルが建設される裏側を見ることができ、とてもよい経験になりました。
2017年11月6日(月)~9日(木)、物理学専攻 博士前期課程 1年生 傳刀賢二さん(古川一暁研究室)が韓国 済州島にて開催された国際会議「The 30th International Microprocesses and Nanotechnology Conference (MNC 2017)」で研究発表しました。
研究発表タイトル
「Effect of Surface Micropattern on Domain Formation in Supported Lipid Bilayer」
(固体表面に支持した脂質二分子膜内で生じるドメイン形成過程の表面パターン制御)
研究発表をした傳刀賢二さんの話:
私の研究は、DPPC/DOPC/コレステロールの3種類の成分からなるモデル人工細胞膜を用いて、ドメイン(同じ分子が集合する領域)の形成過程を直接観察により明らかにすることです。これは実際の細胞で起きているダイナミクス(動力学)を人工的に作製した細胞膜を使って再現する研究で、学部の卒業研究から継続してきた内容です。会議では、物質の動きを制限するマイクロパターンを配した基板表面でのドメイン形成過程を調べ、マイクロパターンによるドメイン形成制御の可能性を検討した成果を発表しました。
初めて参加する国際会議は英語による発表に苦慮しましたが、見やすくわかりやすいポスターを作成することと、タブレットで動画を見せながら説明することでより説得力のある発表を心がけ、聴講者からはたくさんの意見や質問をいただくことができました。
2017年11月6日(月)~7日(火)、建築学系(齊藤哲也研究室)の3年生10名が必修科目「プロジェクトⅥ」の建築実習として静岡県の建築物を見学し、山間部や海沿いなど、地域固有の自然環境と調和した建築の在り方を体験しました。
見学した建築物
東山旧岸邸
とらや工房(東山旧岸邸内)
富士山世界遺産センター
富士宮市長屋門・歴史の館
日本基督教団駿府教会
グランシップ(静岡県立複合文化施設)
御前埼灯台
秋野不矩美術館
ねむの木こども美術館
実習に参加した原 苑子さんの話
最も印象に残っている建築はとらや工房で、敷地内の自然と木の温かさを感じさせる木造の工房を見ながら進むアプローチ(門から工房までの通路)が素晴らしかったです。また、工房の屋根を支える柱に軽くて丈夫なスチールを使用することで、木材では太くなりすぎて景観を崩してしまう支柱をスマートにまとめている点が工夫されていると感じました。
私は4年間の集大成である「卒業研究(設計)」で地元長野県の駅舎をテーマに取り組んでみたいと考えています。長野県の木材を使い、観光案内所や展示室を設けて市をアピールできるような駅舎を完成させたいです。
2017年11月11日(土)、物理学系の教員2名と実験補助の学生3名が明星中学校・高等学校にて中学生・高校生向けに特別講義を実施しました。
「温度を測る」というテーマで、温度の定義やさまざまな温度計について実験を交えながら授業を行い、液体窒素を使った抵抗の実験や超伝導体を磁石の上に乗せる実演、ガリレオ温度計の実物を使った説明は生徒たちに好評でした。
参加者
山口 俊久(物理学系教授)
高重 正明(物理学系教授)
清水 俊希(物理学専攻 博士前期課程 1年生)
町田 瑞季(総合理工学科 物理学系 4年生)
八木澤 摩耶(総合理工学科 物理学系 4年生)
→(左)サーミスタ温度計とガリレオ温度計による温度変化
(右)マイスナー効果による超伝導体の浮上
機械工学系の必修科目「プロジェクトⅤ」、「プロジェクトⅥ」(齊藤 剛教授クラス)では3年生2名、有志で参加した4年生4名、大学院生2名が移動式の石窯を製作し、2017年11月3日(金)~5日(日)に開催された「第52回 星友祭」にて石窯で焼いたピザを販売しました。
石窯の製作に参加した松岡拓海さんの話
伝熱工学や燃焼技術について研究している私たちは、学修した知識を活かしてドーム型の石窯を設計しました。四角いレンガを曲線を描くように組み立てることは容易ではありませんでしたが、この形を採用したことでピザに均等に熱が伝わり、無駄なく短時間でピザを焼き上げることが可能になりました。さらに窯のピザ搬入口に温度計を取り付け、石窯内の温度がパソコンの画面上にグラフで表示されるシステムを取り入れました。
窯の温度を一定に保つことができる石窯を使ってピザを焼くことで、伝熱工学が上手く活用されていることを証明できたと思います。
博士後期課程2年・布施智博さん(生命科学・化学系/化学専攻・清水光弘研究室)らは、出芽酵母細胞におけるヌクレオソーム*の位置や動態を解析する新しい方法を確立し、個々のヌクレオソームの構造的な特徴を明らかにしました。
この研究は、島根大学・医学部、早稲田大学・理工学術院、長浜バイオ大学、東京薬科大学との共同研究であり、科研費、私学事業団学術振興資金、明星大学重点支援研究費(2017)の支援を受けております。
*ヌクレオソーム:145-147塩基対の二重らせんDNAがヒストン8量体に約2回転巻き付いた複合体であり、ヒトをはじめとする真核生物ゲノムの染色体・クロマチンの基本構造単位。
関連資料
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